エンジニアリング・自動車部品大手の独ラインメンタルは16日、内燃エンジン用ピストン部門の売却を完了したと発表した。同社は昨年1月にシリンダーの内径が大きいエンジン用のピストンを製造するラージボアピストン事業を売却。昨年12月にスモールボアピストン事業を売却することで合意したと発表しており、このほど関係当局の承認を得たことからスモールボアピストン事業の売却も成立し、一連のピストン部門売却を完了させた。同社は自動車の電動化に対処するため、エンジン関連製品への依存を軽減することを目的としてピストン部門を売却する方針を2021年に決定していたとされる。

■小径ピストン事業だけで3650人が移籍

スモールボアビストン事業の買い手は投資会社の独コミタンス・キャピタル(Comitans Capital)で、同事業に属する3650人の従業員がコミタンス傘下に移った。ただし、売却額については非公表としている。

コミタンスは自動車部品産業に注力している投資会社で、バイエルン州ミュンヘンに本社を置いている。ラインメタルから買収した後の同事業はコミタンスの傘下でコルベンシュミット・ピストンズ(Kolbenschmidt Pistons)の商号で独立した企業となった。

コルベンシュミット・ピストンズは独ネッカーズルム、米ウィスコンシン州マリネット(Marinette)、メキシコのセラヤ(Celaya)、ブラジルのノヴァオデッサ(Nova Odessa)、チェコのトルミツェ(Trmice)、日本の広島、中国合弁のKSHPが保有する上海と重慶の計8カ所の工場で操業を継続している。

2024/4/18

 

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