国際物流大手の独DBシェンカーは11月30日、スウェーデンのボルタ・トラックス(Volta Trucks)に大型の電動トラックを1470台発注すると発表した。契約額は公表されていない。

ボルタの16トントラックの「ボルタ・ゼロ(Volta Zero)」は、DBシェンカーの欧州のターミナルで物流拠点から都市の中心部や市街地へ荷物を運ぶために使用される。まずは、5カ国10拠点での展開を予定している。

ボルタは2019年の設立で、スウェーデンの首都ストックホルムに本社を置き、英エンジニアリング会社プロドライブ(Prodrive)の拠点でプロトタイプの製作を行っている。同社初の製品となるボルタ・ゼロは都心部の貨物輸送専用に開発。2021年中に顧客向けのトライアルを開始し、22年中に量産を開始するとしている。航続距離は150~200キロメートルとされる。

■22年からプロトタイプの試用開始

DBシェンカーは2022年の春から夏にかけてボルタ・ゼロのプロトタイプを実際の物流環境で試用する。試用で得られた知見はオーストリア東部シュタイヤー(Steyr)にあるシュタイヤー・オートモーティブ(旧WSA Beteiligungs)の工場で製造されるボルタ・ゼロの量産モデルに反映される。

ボルタは今年9月、独フォルクスワーゲン(VW)グループ傘下の独MANから今年6月にシュタイヤー工場を買収したシュタイヤー・オートモーティブにボルタ・ゼロの生産を委託することで合意している。

これに先立ちボルタは今年4月、日産自動車が閉鎖する予定となっているスペインのバルセロナ工場での生産を検討すると表明。昨年9月には英国内での生産も検討するとしており、将来的には自社工場での生産に意欲を示しているが、完成車の生産に必要なノウハウを蓄積するためにもシュタイヤー・オートモーティブへの生産委託が有益と判断した。

2021/12/1

 

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