自動車部品大手の米ジョンソン・コントロールズは18日、自動車内装品事業を中国の上海汽車集団(SAIC)系列の部品メーカーとの間で設立する合弁会社に譲渡すると発表した。新会社の売上高は75億米ドルとなり、世界最大級の自動車内装品メーカーとなる見通しだ。

ジョンソンの内装品事業は大部分がSAIC系列の部品大手、華域汽車系統(HASCO)の子会社である延鋒汽車飾件系統有限公司(Yanfeng Automotive Trim Systems)とジョンソンが設立する新会社に移管されることになった。新会社への出資比率は延鋒汽車飾件系統が70%、ジョンソンが30%となる。

移管される事業内容には座席やコックピット・システム、インストゥルメンタル・パネル、ドアパネル、フロアコンソールなどが含まれる。新会社の本社は上海市に設置し、米国と欧州、日本、インドに研究開発センターを置くとした。

■一部の事業所はジョンソン傘下に残留

今回の取引では現金のやり取りは行わず、両事業の資産だけを合併させることになっているため、実質的にはジョンソンの資産が今後は延鋒汽車飾件系統の支配下に置かれることになった。ただし、ジョンソンは既存顧客との契約を果たすために、一部の事業所については、自社のオートモーティブ・エクスペリエンス・ビジネス部門の傘下での運営を継続するとした。

取引は関係当局などの承認を経たうえで、2015年の上半期中に完了する見通しとされる。

ロイター通信によると、ジョンソンの内装品事業の売上高は約40億米ドルだったが、利益率が低いため、同社は以前から売却を含めた検討を行ってきた。今回の取引では、新会社の売上高予想値である75億米ドルのうち、30億米ドル相当がジョンソン側の受注分としている。

また、ジョンソンの米国内工場などの今後に存続の可否について、ジョンソンの広報担当者は明言を避けている。

2014/5/19

 

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