フォルクスワーゲン(VW)は26日、中国の合弁会社である上海大衆汽車が湖南省の長沙市で新工場を開所したと発表した。VWグループとしては119カ所目、中国では20カ所目の生産拠点となる。2013年5月に起工し、15年末の完成を予定していたが、半年以上も前倒して開所させた。

45627.jpg


長沙工場の年産能力は30万台で、フル稼働時には4000人を雇用する。近隣のサプライヤーパークでも4000人の雇用が創出されるとした。投資額については公表していない。同社は2019年までに合弁パートナーの負担分も合わせて中国国内で220億ユーロ(約2兆9400億円)の投資を計画しており、今回の新工場の分も含まれている。

26日にはVWブランドの小型セダン「ラヴィーダ(Lavida)」をラインオフした。VWだけでなくシュコダブランドの車両も生産する予定となっている。

■「ゴー・サウス」戦略の一環

VWグループ・チャイナの最高経営責任者(CEO)兼務するハイツマンVW取締役は「中国は当社にとって最大の市場であるだけでなく、第2のホーム市場でもある。長沙工場は中国における当社の『ゴー・サウス』戦略のカギとなるステップだ。南部の顧客に近づきながら、サプライチェーンの質を高める狙いもある」と語った。

長沙工場は環境への配慮も重視しており、太陽光と水力による発電だけで操業に必要な電力の全量をまかなうことができる。このうち太陽光だけで1万メガワット時の発電能力を持つ。また、「E-scrub」と呼ばれるドライ塗装システムを採用したことで、電力と水の消費量を20%以上削減したとしている。

2015/5/27

 

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する