欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は8日、スロベニア政府による同国の自動車部品大手Cimosに対する財政支援を承認したと発表した。同国政府は同社に対し、9700万ユーロ(約136億円)の財政支援を実施することが可能になった。


Cimosは1959年の創業で、自動車分野ではパワートレイン、シャーシ・車体、ターボチャージャーなどの部品を生産。スロベニア国内のほか、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、フランス、ドイツ、ロシアなどに生産拠点を展開。従業員数は約7000人に上る。

同社は銀行からの融資が経営を圧迫し、2013年7月にも欧州委の承認を得たうえでスロベニア政府から3500万ユーロ(約49億円)の支援を受けていたが、再建できなかった。14年10月に債権の株式への転換と返済期間の延長を柱とする再建案で債権者が合意したことで、スロベニア政府の再支援を受けることが可能になっていた。その際にCimosは3工場の閉鎖または売却に合意したとされる。

欧州委は今回の再支援を承認した理由について、スロベニア政府が支援を行えば長期的には再建が可能である一方、今回の支援が欧州連合内の市場競争を大きく歪めることはないためと説明している。

2015/6/9

 

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