日本通運は16日、中国国内の自動車関連物流の拡大に向け、奇瑞汽車グループなどが出資する中世国際物流有限公司(本社:安徽省蕪湖市)と6月1日に戦略的提携協議書を締結したと発表した。両社は今後、中国の自動車物流市場を共同開発し、特に外資系メーカー以外の物流案件についてもこれまで以上に積極的に取り組む。

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中世国際物流は、本社を置く安徽省蕪湖市をはじめ国内に17拠点を構え、奇瑞汽車のほか複数の自動車メーカーの部品保管・配送業務や、完成車輸送などを手掛けている。

奇瑞汽車グループは国内4カ所に生産拠点を持ち、主に小型車やスポーツタイプ多目的車(SUV)を生産している。2014年の販売実績は約50万台で国内9位。このうち輸出は10万台で、12年連続で首位となっている。また、インドの自動車大手タタ・モーターズ傘下の英高級車メーカー、ジャガー・ランドローバー(JLR)と合弁事業を展開するなど、外資との提携を通じてブランドイメージの向上を進めている。

世界最大の自動車生産国である中国では、日系乗用車の販売シェアが下落する一方、中間所得層を中心にSUVや小型車の販売シェアが拡大するなど、大きな変化が続いている。日通は今回の戦略的提携により、これまで華南日通国際物流(深セン)有限公司を中心に中国で培ってきた自動車部品調達物流のノウハウを最大限に生かし、自動車関連物流の一層のサービス拡充に努めるとしている。

2015/6/17

 

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