韓国の鉄鋼大手ポスコは7日、全羅南道の光陽製鉄所に年産50万トン規模の溶融亜鉛メッキ鋼板工場(CGL)を増設すると発表した。総投資額は2554億ウォン(約253億円)。高級自動車用素材である先進高強度鋼(Advanced High Strength Steel、AHSS)の生産に特化した設備で、2017年6月の完工を予定する。

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AHSSは一般の自動車鋼板より重量が10%ほど軽く、強度が2倍以上の超高強度鋼。AHSSを使用することにより、自動車メーカーは鋼板量を削減するとともに強度を高めることができる。

光陽製鉄所で生産するAHSSは、フォルクスワーゲン(VW)やゼネラル・モーターズ(GM)、ルノー・日産アライアンス、トヨタなどに供給される予定という。

■自動車鋼板で世界2位へ

ポスコは14年に約850万トンの自動車鋼板を生産。光陽製鉄所でのAHSS生産とタイなどでの自動車鋼板工場の増設により、自動車鋼板の生産量が1000万トン規模に増加する見込みで、アルセロール・ミタルに次ぎ、自動車鋼板生産で世界2位の鉄鋼会社となる。

今回の光陽製鉄所のCGL建設では、発注、設計、製作、施工に至るまでの全過程を大手のエンジニアリング会社や建設会社に依存せず、すべて自社のエンジニアリングで実行する。特に焼鈍炉のコンパクト化、内部酸化技術、ポスコ型のメッキ後の冷却装置など、独自に開発した固有技術をすべて適用することで、投資費用を大幅に削減する方針だ。

2015/9/8

 

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