圧縮天然ガス(CNG)車とエンジンを製造するカナダのウエストポートは8日、ロシアの天然ガス生産・供給会社であるガスプロムと提携し、同国で天然ガス車(NGV)のエンジン部品を生産すると発表した。
ガスプロムは現在、ロシア国内の200カ所にNGVの燃料となる圧縮天然ガス(CNG)ステーションを保有している。今回の提携により、2020年までにCNGステーションを500カ所まで増やすほか、既存施設の改良も行うことでウエストポートと合意した。
また、子会社でNGVの普及促進を目指しているGazprom Gazomotornoye Toplivoがウエストポートと協力し、ロシア国内の自動車メーカーにNGVの生産を促し、受注機会の拡大を目指す。
■EMERブランド製品を生産
ウエストポートはNGVのエンジン部品事業を展開するEMERブランドの製品をロシア国内で生産することを決めた。ただし、工場の建設予定地や生産品目、生産量、投資額などの詳細についてはまだ公表していない。EMERブランドの主な顧客はフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)やフォルクスワーゲン(VW)、マルチ・スズキ、タタ・モーターズ、フォード・モーター、ロシアのGAZ、いすゞ、日野自動車などとなっている。
ガスプロムによれば、ロシアのCNG消費量は2013年の4億立方メートルから20年には104億立方メートルへと急拡大する見通し。同社は半国営企業で世界最大の天然ガス生産・供給会社として知られている。
2015/10/9