スイスに本社を置く半導体大手のSTマイクロエレクトロニクスは2日、市場調査会社IHSの報告書により、ナビゲーション・テレマティクス分野の車載機器向けセンサーのリーダーとして、世界で最も成長している車載用センサーサプライヤーと認定されたことを明らかにした。


STは、車載用半導体のサプライヤーとして30年以上にわたり、ドライバーの安全性・利便性の向上や環境負荷の低減に注力。車載用32bitマイクロコントローラ(マイコン)、高度運転支援システム用製品、車載用パワー半導体、テレマティクス/インフォテインメント用ICなどが自動車の多くのサブシステムに採用されている。

ナビゲーションやテレマティクスなどの車載システム向けセンサーの提供から開始したSTは、第2段階として、パッシブ・セーフティー機器向けセンサーの提供を開始。この分野では特に主要エアバッグ・システムにSTのセンサーが採用されている。現在は第3段階に入っており、車載システムで最も要求の厳しいアプリケーションである横滑り防止装置(ESC)などのアクティブ・セーフティー機器向けMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサーに取り組んでいる。

■センシング機能のアウトソーシングが進展
IHSのシニア・プリンシパル・アナリストであるJeremie Bouchaud氏は「STは、車載用MEMSセンサー市場の2つの大きなトレンドをしっかりと把握している」と指摘する。

1つ目のトレンドは、大手車載機器メーカーが、センシング機能のアウトソーシングを増加させていること。これには、エアバッグや横滑り防止装置(ESC)などのセーフティー・クリティカル・アプリケーションも含まれており、主要な自動車市場では導入が義務付けられていることから、特に採用率が高くなっているという。

2つ目のトレンドは、モノリシック構造の3軸ジャイロ・センサーや3軸加速度センサーなど、低コストな多軸センサーの登場。測定軸の限られた従来の車載用センサーによる慣性測定ユニットも、こうした多軸センサーに置き換えることでコストを増加させることなく新たな測定軸の追加が可能になるという。

 

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