フォルクスワーゲン(VW)傘下のポルシェは4日、同ブランドとして初となる電気自動車(EV)の生産準備に総額で10億ユーロ(約1338億円)を投資すると発表した。1000人の雇用創出につながるとしており、2020年までに量産を開始する予定だ。

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EVは今年9月のフランクフルト・モーターショーに出品されたコンセプトカーである「ミッションE」をベースとして開発する。モデル名もミッションEとなる見通しだ。

■最終組立と塗装の新ライン設置
10億ユーロのうち、7億ユーロ(約937億円)は独南西部バーデン=ヴュルテンベルク州シュツットガルト市近郊のツッフェンハウゼン(Zuffenhausen)工場の拡充に充てる。具体的にはEVの最終組立ラインと塗装ラインの新設、モーターなどを製造するエンジンのライン改修、ボディ製造工程の拡張などを実施するとした。残りの3億ユーロ(約401億円)については、同州ヴァイザッハの研究開発(R&D)センターに充てられる。

■航続距離は500キロ超、15分で8割充電
ミッションEは、4人乗りの4ドア車で、独立した4座席が用意される。加速とともにエネルギーを回生する2個の永久磁石同期モーター(PMSM)は、今年のル・マンで優勝した「919ハイブリッド」で使用されているものとほぼ同じ。最高出力は600ps(440kW)超、航続距離は500キロメートルを超えるとされた。

4輪駆動、4輪操舵を備え、0~100キロ/h加速は3.5秒以下。約15分間で80%が充電される。非接触充電システムを採用しており、オーナーはガレージの床下に充電装置を敷設することで帰宅時などにプラグを差し込むことなく充電することが可能になるとした。

 

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