市場調査会社のフロスト&サリバン(F&S)は15日、2016年のマレーシアの新車販売台数が前年比1.44%減の64万8000台にとどまるとの予想を明らかにした。景気低迷と、通貨リンギ安、インフレ、ローン申請の審査の厳格化などが影響する見通し。


F&Sのビベク・バイディヤ副社長は、自動車メーカー各社がコスト増に伴い新車価格の引き上げを迫られると予想。原油価格の下落傾向が続いた場合、リンギ安も継続し、自動車部品メーカーにとってもコスト圧力になるとみている。

同副社長は一方で、複数の主要モデルが新型車の投入を予定していることで、販売が引き上げられると指摘。新自動車政策(NAP)の下、低燃費自動車(EEV)にインセンティブが与えられることも、各社の市場競争力と価格の維持に寄与するとしている。

■15年の新車販売は1.3%減
F&Sの推計によれば、15年のマレーシアの新車市場は1.3%減の65万7500台。同年4月の6%の消費税(GST)導入とリンギ安が響いた形だ。

15年の新車販売のうち、乗用車は0.9%減の58万3000台となった見込みで、国民車メーカーのプロドゥアが市場の36.2%を占め、ブランド別の1位だったとみられる。国民車以外では、ホンダが15.9%と最大シェアを確保したもよう。高級車市場では、メルセデス・ベンツがシェアを14年の32%から48%に伸ばし、首位となったとみられる。

15年の商用車販売は4.6%減の7万4500台で、商用車市場のシェア約73%を占めるピックアップトラックが1%増を示した。商用車市場のブランド別1位はトヨタで36.8%。

2016/1/18

 

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