中国の自動運転技術ベンチャー企業の新石器慧通(北京)科技(Neolix)は26日、北京市の高度自動運転実証区により自動配送車の車両免許を付与され、公道走行が可能になったと発表した。同社は6月末までに、最終顧客に向けて運転手のいない「コンビニエンスストア」としてサービスを開始。150台以上を北京市で走行させる予定だ。


Neolixの自動運転車のサービスネットワークは、中国初のインテリジェント・コネクテッド車両指針試験区に構築される予定で、小売り、セキュリティー、金融などの多くの産業で幅広く利用されると考えられている。

■設備不要で電池交換が可能

Neolixが開発した自動運転車両は電気自動車(EV)で、全幅が1メートルでありながら、荷室容量は2.4立方メートルと相対的に大きく、航続距離は100キロメートル、最高速度は時速50キロ。設備不要で電池交換を行うことが可能で、交換の所要時間が30秒と短いことが特長とされる。

同社の自動運転車は公道に出る前の段階で、北京亦荘生物医学パーク(Beijin Yizhuang Biomedical Parks)などのエリアですでに運用され、オフィスワーカーにインスタント食品サービスを提供。消費者は自動車上のスクリーンかスマートフォンで食品を注文し、決済と食品の受け取りが即時実行される。温かさを保つ必要があるランチボックスや冷凍が必要なアイスクリームも、Neolixの自動運転車の温度管理された貨物ボックスモジュールで維持される。

■海外8カ国が導入

Neolixの自動運転車は現在までに、中国国内の北京市と上海市、広州市、深セン市、西安市、アモイ市など30を超える都市と、ドイツ、スイス、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、日本、豪州、タイの8カ国に導入され、ビジネスパークや中央商業地区(CBD)などで使用されている。

北京市はNeolixのほか、JD.com、Meituanの計3社に自動運転車の公道走行の免許を付与している。

2021/5/28

 

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