ドイツの化学大手BASFはこのほど、同社とドイツの自動車部品大手マーレ(MAHLE)が、BASFのポリアミド(PA)樹脂「ウルトラミッド(Ultramid)A3WG10」で製造されたプラスチック製トランスミッション用ブラケットを発売したと発表した。マーレの韓国法人がトランスミッション用の樹脂ブラケット事業を今回初めて立ち上げ、国内外に供給する。

■金属代替を実現

ウルトラミッドA3WG10は、シャシーと構造部品に最適化された高充填フィラー材料ソリューションで、BASF独自のシミュレーション技術である「Ultrasim」を使うことによって荷重挙動を最適化し、金属代替を実現した。

トランスミッションサポートブラケットの重量は50%削減され、エネルギー効率を改善。射出成形することで製造工程が簡略化された。ウルトラミッドは減衰性に優れているため、部品のNVH(騒音、振動、ハーシュネス)を低減し、乗り心地も向上するという。

マーレのBU2(フィルター&エンジンペリフェラルズ事業)の韓国ディレクターであるソ・サングヘ氏は「自動車部品には駆動時にさまざまな動荷重や静荷重がかかるため、従来の金属材料と同様の耐性が必要」と指摘。「ウルトラミッドは機械的特性が優れており、構造部品をすべて金属から置き換えることができた」と述べている。

2021/6/7

 

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