独フォルクスワーゲン(VW)は18日、新たな3Dプリンティング技術を導入し、2025年までに独北部ニーダーザクセン州ウォルフスブルクの本社工場で毎年、最大10万個の部品を3Dプリンティングで製造する計画を明らかにした。


■コスト削減と生産性向上を実現

同社は独シーメンスと3Dプリンティング工程のソフトウエアで提携。独北部ニーダーザクセン州ウォルフスブルクの本社工場にバインダージェット方式(Binder Jetting)を導入し、自動車部品を製造する。従来の3Dプリンティングでは粉末材料を敷き詰めたパウダーベッドにレーザーを照射して部品を造形していたが、バインダージェット方式ではパウダーベッドに結合剤(バインダー)を噴射して造形する。これによりコストが削減され、生産性が向上するとしている。

■「Tロック」のAピラー部品を製造

バインダージェット方式によって製造された最初の部品は「Tロック(T-Roc)コンバーチブル」のAピラー部品で、鋼板から作られた従来の部品と比べて約50%軽量という。

VWによれば同社は現在、部品の製造工程にバインダージェット方式を導入している唯一の自動車メーカー。VWは過去5年間で3Dプリンティング技術に数千万ユーロを投資。今後はパートナー企業と協力し、3Dプリンティング工程をさらに効率化し、生産ラインでの使用に適したものにする方針という。

2021/6/22

 

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