独フォルクスワーゲン(VW)グループの商用車事業子会社トレイトンは6月30日、米商用車大手ナビスター・インターナショナルの買収手続きを完了させたと発表した。欧州と北米でプレゼンスを確立したことから、今後は世界最大の商用車市場でもある中国での事業展開を強化する方針だ。

ナビスターは7月1日付でトレイトンの完全子会社となる。トレイトンとナビスターは昨年10月に買収で合意していた。VWは2018年8月、商用車部門の持ち株会社であるVWトラック&バスの社名をトレイトンに変更。トレイトンは傘下に独MANとスウェーデンのスカニア、ブラジルのVWブランド商用車事業を置いている。

■スカニアの新工場は来年中に生産開始

中国事業についてはスカニアが江蘇省南通市内の如皋(じょこう)市で工場を建設中で、完成すれば西側諸国の商用車メーカーとしては中国で初めて完全に独立した状態で商用車の生産が可能になるとしている。同工場の生産開始は2022年中となる見通し。

同工場には研究開発(R&D)機能を持たせ、特にデジタリゼーションを推進するためのハブとしての役割も期待するとした。スカニアは昨年11月に南通皋開汽車製造(Nantong Gaokai Auto Manufacturing)を買収することで、中国でトラックを製造するための免許を取得した。

2021/7/1

 

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