中国の民営自動車メーカー大手の長城汽車(本社:河北省保定市)は13日、傘下の蜂巣易創科技(HYCET)が1000万基目のエンジンを組立ラインから正式に出荷したと発表した。中国の自動車メーカーがエンジンを1000万基製造するのは初めて。蜂巣易創科技は今後3年でガソリン、ディーゼル、合成燃料、水素の4つの燃料形態と6つの製品プラットフォームをベースにした23のエンジン製品を導入すると発表した。

蜂巣易創科技は2018年の創業で、「ワンストップ」の製品開発能力を持つ。自社開発の「GW4C20B 2.0T」ガソリンエンジンは「The Best Engines of China(中国最優秀エンジン)」の称号を7回獲得。連続可変バルブリフト(CVVL)技術を使用したエンジンも製造している。

今回、組立ラインを離れた1000万基目のエンジンは1.5Tシリンダー内直噴式ガソリンエンジンの「4B15C」モデルで、最高出力135キロワット(kW)、最大トルク275Nmを発生し、218.2グラム/キロワット時(kWh)の最小燃費率を実現。将来的に、Haval(哈弗)ブランドの新型クロスオーバーSUV(スポーツタイプ多目的車)「JOLION(中国名:初恋)」などの車種に搭載されるという。

■ハイブリッド専用エンジンも開発

同社はハイブリッド車(HV)向けに特別設計された1500ccの自然吸気ガソリンエンジン「4G15H」を発表している。同エンジンは電動ウォーターポンプ、低圧EGR(排出ガス再循環)、高効率イグニッション、4.5barマルチポイント燃料噴射、13:1の圧縮比、アトキンソンサイクルといった多くの先端技術を採用し、長城汽車の「L.E.M.O.N. DHT」技術と完全統合。これにより同エンジンはさらに多くの市場での販売が可能になるという。

蜂巣易創科技は2023年に45%を超える熱効率の2.0Tハイブリッド専用エンジンを発表し、24年と25年には初の高熱効率の合成燃料専用エンジンと水素燃料エンジンをそれぞれ発表する計画という。

2021/7/15

 

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