ベトナムの複合企業ビングループ(Vingroup)は27日、傘下の自動車メーカー、ビンファスト(Vinfast)の新しい最高経営責任者(CEO)に、欧米自動車大手ステランティス傘下のオペルのCEOを先ごろ辞任したミヒャエル・ローシェラー氏を任命したと発表した。ビンファストは同氏の下、グローバル展開を加速する考え。

ビンファストは12日、米国とカナダ、ドイツ、フランス、オランダの5カ国に販売拠点となる支社を開設したと発表。ベトナム国内での販売が一定規模に達したことから、今後は国外での販売拡大を目指す方針で、海外市場での成長を実現するため、諸外国の大手自動車メーカーで勤務した実績を持つ人材を起用するとしていた。

■三菱自やVWにも勤務

新CEOに就任するローシェラー氏は、三菱自動車ヨーロッパのエグゼクティブ・バイス・プレジデント(EVP)兼最高財務責任者(CFO)、フォルクスワーゲン(VW)の米国法人のEVP兼CFOを務めた後、2012年にオペルに移籍。17年7月からオペルのCEOを務めていたが、今月13日に辞任が発表されていた。オペルの新CEOには、仏ルノーのドイツ・オーストリア・スイス事業のCEOを務めるウーベ・ホッホゲシャーツト氏が9月1日付で就任する。

■初代CEOはGM元幹部

ビンファストは2017年の設立で、初代CEOには米ゼネラル・モーターズ(GM)でグローバルマニュファクチャリング担当のEVPを務めたジェームズ・デルーカ氏を起用。同氏は19年7月にCEOを退任してタイ・ティ・タイン・ハイ氏が後任となっていた。デルーカ氏は19年8月から現在までビンファストの親会社ビングループの副CEOを務めている。

2021/7/28

 

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