ドイツの自動車部品大手エバスペヒャー(Eberspaecher)はこのほど、子会社のPurem by Eberspacherがブラジルで新工場の建設を進めていることを明らかにした。2022年中に稼働を開始させる予定で、フランスや日本の乗用車メーカーのほか、世界の商用車メーカー向けに排気ガス後処理システムや触媒コンバーター、マフラーなどを製造する。


Puremは2010年からブラジル南東部サンパウロ州ソロカバ(Sorocaba)の工場を操業しているが、同工場は拡張が不可能なため、数キロメートル離れた場所に新工場を建設し、約160人の従業員とともに22年から移転を開始する。

新工場では約60カ所の作業スペースが新たに追加されるほか、管理部門用のオフィススペースなどを備える。床面積は1万9000平方メートル超で、このうち約1万4500平方メートルは製造・物流エリアとして割り当てられる。20以上の生産ラインで最先端の溶接・成形プロセスを用いて排気部品・ソリューションが製造されるほか、製造・レイアウトのプランニングでデジタルシミュレーションを使用するなど、生産開始前からデジタル方式を導入するという。将来的にはさらなる拡張も可能としている。

■新排ガス基準に準拠

ブラジルでは2022年から、欧州の「ユーロ6」に相当する乗用車向けの排ガス規制「PL7」が適用され、23年からは同じくユーロ6相当の商用車向けの排ガス規制「P8」が適用される。PuremのWaldhier最高経営責任者(CEO)はブラジルの拠点が現地の排ガス規制に準拠した製品を提供することで、多くの顧客を獲得してきたと述べている。

Puremは米州ではブラジルのほか、メキシコ北部コアウイラ州ラモス・アリスペに工場を保有。米国では製造・開発拠点を6カ所保有しているほか、ケンタッキー州ルイビルで約200カ所の作業場を備えたジャスト・イン・タイム(JIT)方式の工場を建設中という。

2021/10/5

 

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