スウェーデンの商用車大手ボルボ・グループは13日、同国の鉄鋼大手SSABが開発した化石燃料を使用しない世界初の鉄鋼を利用したロードキャリア(荷物運搬車)のコンセプトを発表した。2022年にも化石燃料を使用しない鉄鋼を利用した一連のコンセプトカーと部品を発表する予定だ。

■22年から少量生産

荷物運搬車のコンセプトは、ボルボ建設機械のスウェーデン南部Braasの工場で製造。22年から少量生産を開始する。ボルボは、トラックの重量の約70%が鉄鋼と鋳鉄であると考えると、グリーンスチールへの移行は、同グループだけでなく、輸送・インフラ業界全体にとっても重要なステップだとしている。

SSABは7月、「HYBRIT(Hydrogen Breakthrough Ironmaking Technology)」技術を用い、石炭やコークスを使用せず、水素のみで製造した世界初の鉄鋼の圧延を行った。8月には試用のため、ボルボ・グループへの納品を完了したと発表していた。

HYBRITはSSABと鉄鉱石メーカーのLKAB、エネルギー会社のVattenfallが2016年に共同で立ち上げたプロジェクトで、製鉄に従来必要とされていた原料炭を、化石燃料を使用しない電気と水素で代替する。

2021/10/14

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する