日本電産は14日、同社のトラクションモータシステム「E―Axle」の200キロワット(kW)モデル「Ni200Ex」が、中国の民営自動車メーカー大手、浙江吉利控股集団(吉利集団、本社:浙江省杭州市)の高級EV(電気自動車)ブランド「Zeekr」の第1号モデルであるセダン「Zeekr 001」に採用されたと発表した。E―Axleはこれまでに9車種に採用されており、Zeekr 001が10車種目。Ni200ExはZeekr 001が初採用となる。


■E―Axleシリーズの第3弾

Zeekr 001に搭載されるNi200Exは、E―Axleシリーズの第3弾。Ni200Exは当初、2023年の量産開始を予定していたが、Zeekr 001の発売に合わせて計画を大幅に前倒し、今年8月から量産を開始。「Ni150Ex」の基本構造をベースに、精密小型モーターの開発で培った磁気回路設計ノウハウや独自のモーター油冷構造を生かした軽薄短小モーター構造の採用による小型化と、第2世代インバーター採用などの設計最適化により、Zeekr 001の動力性能、電費性能、音振性能の向上、車重の低減に大きく貢献しているという。

■計5機種を開発中

日本電産のE―Axleシリーズは、モーターとインバーター、ギアを一体化し、ユニットシステムとすることで小型・軽量化を実現したことが大きな特長。19年4月にティア1サプライヤーとして世界で初めて量産を開始した150kWモデルのNi150Ex、2020年11月から量産している100kWモデル「Ni100Ex」と今回Zeekr 001に採用されたNi200Exのほか、「Ni70Ex」「Ni50Ex」の計5機種を開発中で、A~Eセグメント車両の搭載ニーズに幅広く対応する。

日本電産は2030年までにEV用駆動モーター市場で世界シェアの40~45%を獲得することを目標としており、E―Axleはそのけん引役となる見込みという。

2021/10/15

 

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