ロシアの商用車大手カマズ(Kamaz)は10月29日、西部タタルスタン共和国ナーベレジヌイェ・チェルヌイ(Naberezhnye Chelny)の科学・技術センターに隣接する敷地で性能試験場の建設を開始したと発表した。工事は2022年10月に完了する見込みで、最初の試験走路は今年の第4四半期(10~12月)中に使用可能になる予定。同社はこの措置により、製品開発やシステム改良のスピードアップ、品質の大幅な向上につながるとしている。


同社の科学・技術センターの研究開発(R&D)施設では、車両の操縦性や安定性、ブレーキ、車外騒音の試験のほか、電子制御システムや先進運転支援システム(ADAS)の調整を行う。当初の敷地面積は11万平方メートルで、将来的には16万平方メートルに拡張する可能性がある。

■自動運転車用のミニタウンも

新性能試験場には、実際に近い環境で自動運転車の試験を行うため、建物の模型や交差点、信号機などを備えたミニタウンも建設。道路区間には大型のトンネルがあり、ADASのレーダーやライダー(LiDAR、レーザー光線を使った距離計測技術)センサーの試験を行う。

さらに、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やアンチスピンレギュレーター(ASR)の試験のため、さまざまなサイズの丘やピット、石畳路(ベルジャン路)、玄武岩舗装の区間を備えた特別なトラックが用意される。

■NAMIの試験場も併用

新性能試験場では、カマズが行う試験のうち70~80%が実施される見込み。試験走路は全長770メートルで、ロードトレイン(多重連結トラック)などの試験には短いため、一部の試験についてはこれまで通り、モスクワ州ドミトロフにある国営の中央自動車・エンジン科学研究所(NAMI)の試験場で行うとしている。

2021/11/2

 

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