ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー(本社:東京都中央区)は8日、同社の金属調加飾フィルム(サテン調)が、新興EV(電気自動車)メーカーの米リヴィアン・オートモーティブ(Rivian Automotive、本社:ミシガン州プリマス)が出荷を開始したピックアップトラック「R1T」のフロント・リアのスキッドプレートの表皮材として選定されたと発表した。リヴィアンが近く生産を始めるスポーツタイプ多目的車(SUV)「R1S」への供給も決定しているという。

■CASE向けに有利な特性

スキッドプレートとは、車が地面と接触した時に下側の損傷を防ぐ耐摩耗性材料。これまでは基材のABS樹脂やポリプロピレン樹脂にメッキを施すのが一般的だったが、リヴィアンはメッキ代替として金属調加飾フィルムの採用を決めた。金属調加飾フィルムは、有害性が議論される物質が一部に含まれるメッキや二酸化炭素(CO2)の排出が多い塗装と比べて地球環境に優しく、防錆であるうえ、電波・光線透過性、100色を超えるカラーバリエーションなど、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に向けて有利な技術的特徴を持つ。

■フォード「マスタング・マッハE」にも採用

ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーは、東証1部上場のウェーブロックホールディングスの全額出資会社。異なる特徴を持った素材を最適な組み合わせで提供し、付加価値のある製品を生み出している。金属調加飾フィルムは、金属と樹脂を組み合わせたフィルム(テープ、シート)の樹脂部分を押出機内で溶かして成形したり、型に流して射出成形する。

同社の製品は北米市場ではフォード・モーターのEV「マスタング・マッハE」のフロント透過エンブレムに採用されており、日本ではスマートエントリーシステム対応のドアハンドルなどに採用されている。

2021/12/9

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する