豊田通商は23日、インドネシア・西ジャワ州スバン県のパティンバン新国際港でインドネシアの国営企業が暫定的に行ってきた自動車ターミナル運営事業を、豊田通商が新設した運営会社「Patimban International Car Terminal(PICT)」を通じて引き継ぎ、17日から運営を開始したと発表した。


独立行政法人の国際協力機構(JICA)は20日、パティンバン新国際港の自動車ターミナルが全面開業し、17日に本格運営の開始式典を開催したと発表。日本企業で構成されるターミナル・オペレーターが自動車運搬船への完成車両の積み込みを披露した。

JICAは2017年11月、インドネシア政府との間でパティンバン新国際港の建設のため1189億600万円の円借款貸付契約に調印。パティンバン港の建設には、軟弱地盤改良技術や急速施工技術など、日本企業の持つ高い技術が活用され、円借款貸付契約から約4年という短期間で自動車ターミナルとコンテナターミナル、港湾が完成した。

■自動車の取扱能力は24年までに60万台に

パティンバン新国際港は、自動車ターミナルとコンテナターミナルの2つで構成され、インドネシア政府主導で、第1期から第3期まで段階的に建設が進められることが計画されている。

第1期のフェーズ1では年間の取扱能力21万8000台の自動車ターミナルとコンテナ取扱能力25万TEU(20フィートコンテナ換算)のコンテナターミナルが建設され、自動車ターミナルは2024年までに取扱能力を年60万台まで、コンテナターミナルは段階的に750万TEUまでそれぞれ拡張される計画。

ジャカルタ首都圏東部に位置するパティンバン新国際港の円滑な運営により、タンジュンプリオク港への貨物が分散されることで、ジャカルタ首都圏の交通渋滞の緩和や物流機能が改善され、インドネシアの輸出力向上や物流コストの低減が期待されている。

2021/12/24

 

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