新興のリチウムイオン電池メーカーの英ブリティッシュボルト(Britishvolt)は24日、英政府が支援する研究開発(R&D)機関の「UKバッテリー・インダストリアライゼーション・センター(UKBIC)」と次世代電池の開発で提携することで合意したと発表した。期間は2年間で、開発資金は数百万ポンドに上る見込み。ニッケル含有量が高く、エネルギー密度が高い電池を開発し、商業化することを目指す。


UKBICは、英国の自動車産業が新しい電池技術を市場に投入することを支援するため、イングランド中部コベントリーに設立された。

■新工場建設で2600億円の資金調達

ブリティッシュボルトは21日、イングランド北東部のノーサンバーランド州ブライス(Blyth)で建設を進めている電池工場について、英国の物流不動産投資会社トライタックス(Tritax)と資産運用会社アバディーンから計17億ポンド(約2600億円)の資金を調達したと発表。英政府からも助成金を獲得した。金額は明らかにしていないが、関係筋によると、約1億ポンド(約154億円)と見られている。

ブリティッシュボルトは昨年9月にブライス工場の先行工事を開始。2023年第4四半期(10~12月)または24年初めに第1期の生産を開始する計画だ。

ブライス工場は同社にとって初の本格的ギガプラントで、投資額は38億ポンド(約5840億円)に上る計画。敷地面積は93万平方メートルで、3期に分けて建設される。2027年には年産能力が30ギガワット時(GWh)に達し、電気自動車(EV)30万台分以上の電池パックの生産が可能になるという。フル稼働時には約3000人の直接雇用を創出する見込み。

同社は最終的な上場に向けてさらなる資金調達を計画していると述べ、今後数週間のうちに顧客との覚書(MOU)や研究開発(R&D)、英スポーツカーブランドとの提携などを発表すると明らかにした。

2022/1/25

 

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