神戸製鋼所は1日、ベトナム北部ハナム省に電子材料用銅板条のスリット(条切り)加工・販売と技術サービスを行う新会社Kobelco Copper Alloy Vietnamを全額出資で設立したと発表した。今年の秋ごろから工場の建設を開始し、2024年春ごろから稼働を開始する予定。同社の銅圧延事業は電子材料用(自動車用途を中心とした端子・コネクター用および半導体リードフレーム用)に特化している。

神戸製鋼はこれまで、タイにKobelco Electronics Material(Thailand)、中国の蘇州神鋼電子材料を設立し、アジア向けの銅板条需要スリット加工・販売を行ってきたが、ベトナムでのさらなる需要増が見込まれることから、新たにスリット加工・販売拠点を設立することを決めた。

■月間処理量は約400トン

ベトナムの新会社の従業員数は稼働開始時に30人程度。スリット加工の処理量は月間で約400トンとなる見込み。工場の稼働後は、長府製造所(山口県下関市)で製造したマスターコイル(広幅コイル)をベトナムに在庫し、要求寸法に応じたスリット加工を行う。

自動車の電装化の高まりにより、自動車用端子の小型化や大電流化が進んでいる。神戸製鋼の銅板条にはこうしたニーズにも対応するため、独自に開発・改良した高性能銅合金、高性能な表面処理(めっき加工)を提供している。

2022/6/2

 

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