電気自動車(EV)の商用車を開発する米セントロ・エレクトリック・グループ(Cenntro Electric Group)は8日、メキシコでリチウムイオン電池を製造する完全子会社を設立したと発表した。新会社の商号はセナティック・パワー(Cennatic Power)で、電池セルを内製することにより最重要部品となる電池の供給を確保するための措置と説明している。


■モンテレイと工場を賃借

セナティック・パワーはメキシコ北部のヌエボレオン州モンテレイにあるエアロ・インダストリアル・パークに工場を置く。すでに床面積1万436平方メートルの施設を賃借することが決まっており、年内に設備の搬入と据え付けを完了し、2023年の上半期(1~6月)中に試験生産を開始する予定としている。ただし、電池セル工場への投資額や生産能力については言及していない。

セントロのピーター・ワン会長兼CEO(最高経営責任者)は「当社は電池技術の自主開発に注力してきた。新工場を設置することで当社のEVの性能が向上し、電池セルのコストも削減できるようになるだろう。中国への依存も軽減できる」と語った。

■中国とドイツでEV工場を取得済み

同社は今年5月、中国の浙江省湖州市長興県にあるEVの生産工場を取得したと発表。今年の第3四半期(7~9月)中に試験生産を開始するとしていた。同工場の生産能力は年間5万台とされる。今年3月には商用小型EVメーカーの独Tropos Motors Europe(TME)を買収。TMEが独西部ノルトライン・ヴェストファーレン州ヘルネに保有する組立工場ではセントロの「Metro」と「Logistar」シリーズ、「Neibor」シリーズを含む欧州市場向け車両を製造するとしていた。

2022/8/9

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する