生体認証技術を開発する仏アイデミア(IDEMIA)は8日、同社のオートモーティブ・コネクティビティー・マネジャー(Automotive Connectivity Manager)を使用し、独メルセデス・ベンツが70万台以上の車両の通信契約を1つのモバイル通信事業者から別の事業者にOTA(オーバー・ジ・エア、無線更新)サービスで移行する大規模なリモートSIMプロビジョニングキャンペーンを実現したと発表した。2021年から22年春にかけて実施され、自動車業界の成功事例としては世界初という。


モバイル通信事業者団体GSMAの規格「GSMA1」に準拠したアイデミアのSM―SRと組み合わせることで、クラウドベースのオートモーティブ・コネクティビティー・マネジャーはモバイル通信事業者とのeSIM(組み込み型のSIM)の契約をeSIMを搭載したコネクテッドカーへダウンロードするなど、eSIMプロファイルの発注から開通までのエンドツーエンドのプロセスを管理することが可能。

■モバイル通信業者の変更が容易に

柔軟性の高いeSIM技術とアイデミアのオートモーティブ・コネクティビティー・マネジャーにより、同社の自動車関連の顧客は1つのモバイル通信事業者にしばられず、車両の通信契約を簡単に入れ替えることができ、車両管理の実質的なコスト削減を可能にする。

今回の大規模な移行は、自動車メーカーにとってのテレマティクスサービスを最適化する通信契約の移行であるため、メルセデス・ベンツの車の所有者は影響を受けず、移行に気づくこともないという。

2022/9/9

 

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