欧米ステランティスは10日、豪州の資源開発会社GMEリソーシズからニッケルとコバルトを調達する内容の拘束力のない覚書(MOU)を締結したと発表した。電気自動車(EV)用の電池材料の確保が狙い。両社は今後、規制当局などの承認を得たうえで正式に契約を締結する見通し。

ステランティスはGMEが西オーストラリア州で推進中のニッケル・コバルト開発プロジェクト「NiWest」から将来的にEV用電池向けの硫酸ニッケルと硫酸コバルトを調達する。

■硫酸ニッケルと硫酸コバルトを年9万トン生産

NiWestでは、EV市場向けに年間で硫酸ニッケルと硫酸コバルトを約9万トン生産する見込み。これまでの投資額は3000万豪ドル(約27億4000万円)超で、10月中にフィージビリティスタディー(事業化調査、FS)を開始する予定。処理施設の建設予定地は、スイスの資源大手グレンコアが所有し、豪州最大のニッケル・コバルト採掘事業を展開するムリン・ムリン(Murrin Murrin)鉱山から約30キロメートル以内に位置している。

ステランティスは今回の合意について、同社のEV用電池生産のバリューチェーンが強化されるとともに、3月に発表した中期戦略計画「Dare Forward 2030」で示した持続可能性に関する野心的な目標を達成するための助けとなると述べた。

2022/10/12

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する