中国の駆動用電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL、本社:福建省寧徳市)は10月31日、ベトナムの複合企業ビングループ(Vingroup)傘下の自動車メーカー、ビンファスト(Vinfast)との提携を強化し、電気自動車(EV)向けシャシー技術を提供することでも合意したと発表した。


CATLはCIIC(CATL integrated intelligent chassis)と呼称するスケートボード型のシャシー技術をビンファストに供与し、次世代EVの開発につなげる方針。CIICはシャシーと電池パック、モーターなどのEVの主要システムを車体下部で一体化することでコストを削減すると同時にエネルギー消費を軽減する一方、キャビンのスペース拡大にも寄与する。

■CTP技術供与は合意済み

CATLはすでに同社が開発した電池システム技術「セル・トゥ・パック(CTP)」についてもビンファストに供与することで合意しており、CIICのほかにも電池技術や自動車の電動化全般についても新たな協力関係を模索するとしている。

CTPはモジュールを廃して電池セルをそのまま電池パックに統合する技術で、第1世代のCTP製品は2019年に発表された。CTPはモジュールを廃したことで電池パック全体の体積に占める電池セルの体積の割合(体積利用率、volume utilization efficiency)を引き上げたことが特長で、CATLの第3世代となる麒麟(Qilin)電池では業界最高の72%に到達したとしている。第1世代では同50%強だった。

2022/11/01

 

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