英自動車工業会(SMMT)が26日発表した2022年の乗用車生産台数は前年比9.8%減の77万5014台と6年連続で前年実績を下回った。新型コロナウイルス危機前の130万台超からは40.5%減となり、1956年以降で最低を記録した。世界的な半導体不足と中国の厳格なコロナ規制が影響した。12月単月の英乗用車生産台数は前年同月比17.9%減の5万1168台と3カ月ぶりに減少した。


22年の乗用車生産台数の内訳は、国内向けが9.4%増の16万8176台と増加に転じたが、輸出向けは14%減の60万6838台と減少を続けた。12月の乗用車生産の内訳は、国内向けが25%減の1万2074台と3カ月ぶりに減少し、輸出向けは15.4%減の3万9094台と2カ月連続で減少した。

■メーカー別生産は日産が首位復帰

22年のメーカー・ブランド別の乗用車生産台数は、日産自動車が16.5%増の23万8329台と増加に転じ、2位から首位に復帰。ジャガー・ランドローバー(JLR)は8.1%減の20万2788台で首位から2位に後退した。3位のMINIは0.3%減の18万6222台、4位のトヨタ自動車は19.2%減の10万5590台で、ともに減少に転じた。ベントレーが8.6%増の1万5639台で5位。6位のボクソールは70.3%減の9510台で、アストンマーティンやロンドン・エレクトリック・ビークル・カンパニー(LEVC)、ロータス、マクラーレン、ロールスロイスなどを含むその他のメーカーが計1万6936台だった。

ここ2年、コロナ禍により世界の自動車業界は半導体を中心に主要な部品不足に悩まされており、メーカーの新車受注残が蓄積している。中国でのロックダウン(外出規制)に伴うサプライチェーンの途絶も圧迫要因となった。

■EV生産台数が過去最高

22年の電気自動車(EV)とプラグイン・ハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)の生産台数の合計は4.5%増の23万4066台と最高記録を更新し、全乗用車生産台数の約3分の1を占めた。

■商用車生産は2年連続の増加、10年来で最高を記録

SMMTが同日発表した22年の商用車(バン、トラック、バス)の生産台数は39.3%増の10万1600台と2年連続で増加し、2012年以降で最多を記録した。国内向けが14%増の4万409台と2年連続で増加し、輸出向けが63.4%増の6万1191台と増加に転じた。

12月の商用車の生産台数は23.6%減の4710台と13カ月ぶりに減少した。内訳は、国内向けが9.8%減の2780台、輸出向けが37.3%減の1930台だった。



2023/01/27

 

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