独BMWは3日、メキシコ中部サン・ルイス・ポトシ州の工場に8億ユーロ(約1140億円)を投資すると発表した。同工場内で電池システムの組立工場を建設する。


■ノイエクラッセ用の電池システムを生産

床面積8万5000平方メートルの新棟を建設し、2027年以降に生産を開始する予定の次世代EV(電気自動車)向けの電池システムを組立生産する。今回の投資による新規雇用創出は1000人と見込んでいる。次世代EVは「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」と呼ばれるEV専用アーキテクチャーに基づいて開発される。

ノイエクラッセのEVはハンガリー東部のハイドゥー・ビハール県デブレツェン(Debrecen)にある工場が2025年から生産を開始し、次いで独バイエルン州ミュンヘンの工場でも生産を始める予定。メキシコ工場が3カ所目の生産拠点となる見通しだ。

ノイエクラッセで採用される次世代電池は円筒形で直径は直径46ミリメートル。長さは2種類としており、すでに米テスラが採用を決めた4680型と似たような形状となる。ニッケルとシリコンの使用量を増やす一方でコバルトの使用量を減らすことでコストを従来比で50%削減。エネルギー密度は20%以上の上昇となり、航続距離は最大30%、充電速度も最大30%向上するとしている。

■4月に新シフト追加

サン・ルイス・ポトシ工場は2019年の開所で年産能力は17万5000台。「3シリーズ」から生産を始めていたが、現在は「2シリーズクーペ」と「M2」も生産している。今年4月からは500人の第2シフトを追加する予定で、この500人も今回の投資による新規雇用創出分に含まれる。

2023/02/06

 

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