ドイツの自動車部品・タイヤ大手コンチネンタルは22日、ロシア南西部のカルーガの乗用車用タイヤ工場を同国の投資会社S8キャピタルに売却したと発表した。すでに関係当局の承認を得ているという。売却額などの詳細は非公表。


コンチネンタルは、ロシアが昨年2月にウクライナへの侵攻を開始した後、カルーガ工場での生産を停止。今年3月に同工場を含むロシア事業を売却すると発表し、売却協議は進んだ段階にあると説明していた。

同社のカルーガ工場では乗用車用タイヤを生産するほか、エアコンやパワーステアリングのラインも併設しており、ロシア市場向けのエアサスペンションシステムの部品も製造していた。売却にはコンチネンタルのタイヤグループ部門に属していたモスクワの販売代理店も含まれる。関連する現地従業員1100人はS8キャピタルが引き続き雇用するという。

■他事業も売却進める

コンチネンタルはカルーガ工場のほか、地場企業メッテム(Mettem)とのタコグラフを製造する合弁事業の株式を保有するほか、ゴム・プラスチック部門コンチテック(ContiTech)がモスクワに営業所を構えている。従業員数はそれぞれ約10人、約30人で、これらの事業についても撤退に向け売却手続きを進めている。

2023/05/23

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する