三菱電機は26日、米コヒレント(Coherent)とパワーエレクトロニクス市場向け8インチSiC(炭化ケイ素)基板の共同開発で基本合意したと発表した。


SiCパワーモジュールは、従来のシリコンウエハーを用いたパワーモジュールに比べて低電力損失で、高温動作や高速スイッチング動作が可能となるため、省エネルギーや脱炭素化によるGX(Green Transformation)実現への貢献が期待されており、電気自動車(EV)分野などで市場の急拡大が見込まれるという。

■熊本県の新工場棟向けの8インチSiC基板を共同開発

三菱電機は市場拡大に対応するため、大口径化(8インチ)に対応した新工場棟を熊本県に建設し、2026年に稼働を開始する予定。同社は今回の基本合意に基づき、この新工場棟で生産するSiCパワーデバイスに使用する高品質な8インチSiC基板をコヒレントと共同開発し、SiCパワーモジュールの安定供給を目指す。

コヒレントはSiC材料を長年開発しており、2015年に世界初の8インチ導電性基板を実証。19年に欧州連合(EU)が設立した「Horizon 2020」の下で8インチSiC基板の供給を開始した。

2023/05/29

 

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