丸紅は10日、蓄電池用ウルトラキャパシタ(電気二重層コンデンサー)の開発・製造事業を行う北欧エストニアのスケルトン・テクノロジーズ(Skeleton Technologies)に追加出資したと発表した。次世代蓄電池「スーパーバッテリー」の量産工場建設のためという。丸紅は2021年3月にスケルトンに出資しており、今年6月に追加出資した。出資額は公表していない。


ウルトラキャパシタは高出力、高速充放電、長寿命、安全性、リサイクル性といった優れた特徴を有する蓄電デバイスとして自動車、交通、建設機械、電力、産業機器など、さまざまな分野で採用されている。

スケルトンは2009年の設立で、欧州最大のウルトラキャパシタのメーカーとして、エストニアとドイツに開発拠点、ドイツに製造拠点をそれぞれ保有。欧州と米国を中心に、電気自動車(EV)の電池向けに長時間の電力供給を可能にするウルトラキャパシタを供給している。

■スーパーバッテリー工場は24年稼働へ

同社は現在、ウルトラキャパシタの特長を生かしつつ蓄電容量を高めたスーパーバッテリーの開発を行っている。スーパーバッテリーは長寿命、安全性、高出力や高速充放電に優位性を有することに加え、製造から廃棄までの製品ライフサイクルの二酸化炭素(CO2)排出量が他の蓄電池対比で少ない。スケルトンはリチウムイオン電池や鉛蓄電池の代替用途および新用途の開発ニーズに応えるため、スーパーバッテリーの量産工場を建設しており、2024年に稼働する予定。

スーパーバッテリーはすでに複数の企業で試用が開始されており、鉱山運搬トラックの完全電動化を目指すシェルと大型電動ダンプトラックを開発中であるほか、EVやハイブリッド車(HV)、蓄電池電車、電動船など、さまざまな用途で顧客から引き合いを受けているという。

2023/07/11

 

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