村田製作所は1日、フィリピンの生産子会社の「Philippine Manufacturing Co. of Murata」がマニラ首都圏南方のバタンガス州タナウアン市で主力製品である積層セラミックコンデンサー(MLCC)の新生産棟の建設を開始したと発表した。投資額は建屋のみで約112億円で、2025年9月末の竣工を予定。車載向けなどのMLCCの中長期的な需要増に対応する。

MLCCは小型ながら静電容量範囲も広く、ノイズ除去や電源電圧の平滑化、フィルターなどさまざまな回路で使用される。特に先進運転支援システム(ADAS)のほか、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)には欠かせない部品とされる。

■タイ・日・中の生産能力も増強

村田製作所はタイ北部ランプーン県と日本(島根県大田市)で建設を進めていたMLCCの新生産棟をそれぞれ今年2月と4月に竣工。中国・江蘇省無錫市でも新生産棟の建設を進めており、来年4月末に竣工する予定となっている。

2023/8/2

 

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