カナダ政府の革新・科学・産業省は18日、韓国の電池材料メーカーであるエコプロBMがカナダ東部のケベック州ベカンクール(Becancour)で新工場を建設すると発表した。エコプロBMのカナダ法人には韓国の電池メーカーであるSKオンと米フォード・モーターも後日に出資する予定となっている。


■26年の上期に操業開始へ

エコプロBMのカナダ法人の名称はエコプロCAMカナダ(EcoPro CAM Canada)で、今年2月に設立された。エコプロCAMはすでにベカンクールで新工場の建設を始めており、2026年の上半期(1~6月)中に操業開始させる予定だ。SKオンとフォードの出資を得た後もエコプロBMが同工場の日常的な運営を担当する。

■NCM正極材の年産能力はEV22.5万台分

新工場への投資額は12億カナダドル(約1290億円)で、ニッケル・コバルト・マンガン(NCM)の車載電池セル向け正極材を製造する。生産能力は年間4万5000トンで、一般的な電気自動車(EV)にして22万5000台分に相当するという。敷地面積は28万平方メートルで、新規雇用創出は345人とされる。

新工場で製造した正極材はSKオンとフォードの合弁会社が運営する電池セル工場に納入され、電池セルとなったフォード車に搭載される見通しだ。

■連邦と州が計6.44億ドルの金融支援

今回の投資計画については、カナダ連邦政府が戦略的イノベーション基金を通じて3億2200万カナダドル(約346億円)の条件付き拠出を行うほか、ケベック州政府も同額となる3億2200万カナダドルの一部返済免除融資を提供することになっている。

エコプロは2021年12月にハンガリー東部のハイドゥー・ビハール県デブレツェン(Debrecen)で正極材の工場を建設すると発表しており、今回のカナダでの新工場が韓国外で2カ所目の生産拠点となる。

2023/08/18

 

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