電気機器メーカーのダイヘン(本社:大阪府大阪市)は30日、ドイツの溶接機メーカー、ローヒ・シュヴァイステクニック(Lorch Schweistechnik)を完全子会社化すると発表した。2024年1月15日にローヒの全株式を習得する予定で、取得価額は約2200万ユーロ(約35億円)に上る見込み。

■EV向けなどの接合機器の西欧販売を加速

ダイヘンは電気自動車(EV)の車体軽量化に役立つ新接合システムや鉄骨・建機・風力発電などで用いる厚板溶接の生産性を高める新接合機器など、同社独自の接合機器を多数開発し、国内大手メーカーを中心に採用実績が着実に増加しているが、欧州での実績はまだ少ない状況にある。

ローヒの買収によって同社が持つ西欧の販売ネットワークと大手ユーザーへの直販体制を生かし、西欧での接合機器の販売拡大を加速する。また、FAロボット事業でもダイヘンがこれまでに買収したドイツのシステムインテグレーターのLASO techやFemitecを活用することで、ローヒの顧客が持つ多様な自動化ニーズにも対応できるとしている。さらに、ダイヘンが2014年度に買収した東欧の溶接機器メーカー大手のVARSTROJが持つ販売ネットワークを活用した東欧でのローヒ製品の販売拡大も期待できるとしている。

ダイヘンは欧州市場の売上高を22年度の60億円の3倍強となる200億円以上に拡大し、溶接機・アーク溶接ロボット分野での欧州市場ナンバーワンのメーカーになることを目指す。さらに欧州市場での認知度向上を生かし、グローバルワイドにEV・風力発電など新分野での販売を拡大する。

2023/8/31

 

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