米半導体大手インテル傘下で自動運転技術を開発するイスラエル企業のモービルアイと自動車部品大手の仏ヴァレオはこのほど、独ミュンヘンで開幕したIAAモビリティ(ミュンヘン国際自動車ショー)で、次世代の運転支援と自動運転機能向けソフトウエア定義のクラス最高のイメージングレーダーを提供するために提携すると発表した。

イメージングレーダーは自動運転用のセンシングシステムの重要な部分として、高速道路や市街地でのハンズオフの先進運転支援システム(ADAS)ソリューションやアイズオフの自動運転機能を実現する要素となる。

モービルアイのイメージングレーダーは「Massive MIMO (マッシブマイモ、複数入力・複数出力) 」アンテナ設計、社内開発のハイエンド無線周波数設計、高忠実度サンプリングなどの先進的なアーキテクチャーを使用しており、これらすべてが正確な物体検出とより広範なダイナミックレンジを可能にする。

■最大300メートル先の4次元画像を提供

プロセッサー効率を最大化する統合システムオンチップ(SoC)設計と、レーダーデータを解釈するための世界最先端のアルゴリズムにより、イメージングレーダーは最大 300メートル以上離れた周囲の詳細な4次元画像を提供。同レーダーは、中距離で140度の視野角、近距離では170度の視野角を備え、混雑した都市部の道路で他のセンサーでは見逃す恐れのある歩行者や車両、障害物をより正確に検出できるという。

ヴァレオは2006年からレーダー技術の開発と量産を行っている。モービルアイのイメージングレーダー技術とそれに対応するレーダー・チップセットに組み込まれたソフトウエアとアルゴリズムを、 ヴァレオの自動車用ソフトウエアとハードウエアレーダーソリューションに統合することによって新しいイメージングレーダー製品のシステム設計をリード。世界に展開する生産拠点を活用し、イメージングレーダーを製造するという。

両社はすでにフロントカメラやその他の運転支援ソリューションで協力関係にあり、2015年以降、世界で1500万台以上のスマートフロントカメラを納入している。

2023/9/6

 

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