米イリノイ州のプリツカー知事は8日、中国の車載電池メーカーである国軒高科(Gotion High-Tech、本社:安徽省合肥市)が同州マンテノで新工場を設置すると発表した。既存の工場を買収して電池セルと電池パックを製造する施設に改修する。

■24年中に操業開始、電池パックは年産10GWh

国軒高科による投資額は20億米ドルで、新規雇用創出は2600人以上となる見込み。敷地面積は約150エーカー(約60万7000平方メートル)とされる。2024年中に操業を開始させる予定だ。生産能力は電池セルが40ギガワット時(GWh)で、電池パックが10GWhと予定している。

■州が最大5.36億ドルのインセンティブ提供

同州政府は国軒高科に対して雇用実績などに応じて最大5億3600万米ドル相当のインセンティブを提供する。このうち2億1300万米ドルは期間30年間に及ぶ税制優遇とされる。また、カンカキー郡などの地元当局も固定資産税などの優遇を30年間にわたって提供する。

■正極材と負極材はミシガンで生産

国軒高科は昨年10月にもミシガン州ビッグラピッズで電池材料を製造する新工場を建設すると発表。投資額は23億6000万米ドルで、生産能力は正極材が年間15万トン、負極材が5万トンとしていた

国軒高科は国内外で生産能力を拡大しており、2025年には年産能力を計300GWhに引き上げる計画。このうち200GWhは安徽省を含む中国国内で、残りの100GWhは欧州や米国、東南アジアで構築する予定とされる。

2023/9/11

 

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