東欧スロバキアの新興の電池メーカー、イノバット・オート(InoBat Auto)は25日、セルビアで計画している電池セルの新工場を同国中部のポモラヴリェ郡チュプリヤ(Cuprija)で建設すると発表した。同社にとって中東欧地域で2カ所目の電池工場となる。
同社は昨年11月に同国で電池工場を建設することで同国政府と大筋合意したが、立地については確定していなかった。同工場では電気自動車(EV)向けだけでなく、電力貯蔵システム(ESS)用の電池セルも製造するほか、電池のリサイクル施設も併設する。
■当初は年産4GWh、将来的に32GWh
新工場の生産能力については25日付の発表では言及しなかったが、昨年11月の発表によれば、当初は4ギガワット時(GWh)で2025年中に開所する予定とされた。将来的には32GWhまで年産能力を引き上げる計画とされる。
同社はこれまで投資額について言及していないが、セルビア政府が4億1900万ユーロ(約660億円)相当のインセンティブを提供することになっている。
イノバットは今月1日に中国の車載電池メーカー大手の国軒高科(Gotion High-Tech、本社:安徽省合肥市)による25%の出資を受け入れると発表したばかり。国軒高科には独フォルクスワーゲン(VW)が出資していることで知られている。VWの中国法人が国軒高科の株式26.47%を持ち、筆頭株主となっている。
2023/09/27