独フォルクスワーゲン(VW)は7日、電池事業を統括する傘下のパワーコ(PowerCo)と自動車用触媒・電池材料事業を手掛けるベルギー企業のユミコア(Umicore)との合弁会社が初の工場をポーランド南部ニサ(Nysa)に建設すると発表した。両社は6日、合弁会社の社名を「イオンウェイ(Ionway)」とすると明らかにしていた。


VWとユミコアは昨年9月、リチウムイオン電池の正極材(CAM)と正極材前駆体(pCAM)を製造する合弁会社を設立すると発表。生産するCAMとpCAMはパワーコが建設を進めている独ニーダーザクセン州ザルツギッター(Salzgitter)の電池セル工場に供給するとしていた。新工場の建設場所は未定だったが、ユミコアが負極材工場を保有しているポーランドのニサが有力視されていた。

■25年中に生産開始へ

ポーランドの新工場は2025年中の生産開始を予定し、900人の雇用を創出する見込み。26年の年産能力は電池セルにして40ギガワット時(GWh)相当に達する。イオンウェイの同工場への投資額は20年代終わりまでに17億ユーロ(約2700億円)に上る見込みで、ポーランド政府が3億5000万ユーロ(約550億円)を助成する。

正極材は電池セルのコストの50%近くを占めることから、VWはユミコアとの合弁会社を通じて正極材の供給を確保すると同時に量産効果を引き出して電池セルのコストを競合他社より引き下げる狙いがある。

2023/10/10

 

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