仏フォルシアと独ヘラー(Hella)の合弁によって誕生した自動車部品大手フォルヴィア(Forvia)はこのほど、北米市場の中型トラック向けに水素貯蔵タンク「タイプ4」を供給する契約を大手自動車メーカーから獲得したと発表した。タイプ4の生産開始は2025年中の予定。供給先のメーカー名は公表していない。

タイプ4の水素貯蔵タンクはカーボンファイバーワインディング成形の貯蔵ソリューションで、ポリマーライナーを使用。トラックなど、高圧や集中的使用が要求される用途に適している。ポリマーライナーは高い耐久性を持つと同時に、30%の軽量化を実現。手ごろな価格と利便性を提供する。

フォルヴィアは金属ライナーを使用した「タイプ3」の水素貯蔵タンクも製造しており、こちらは走行距離がそれほど長くなく、運行後や夜間に水素を充填する路線バスなど、充填時間の制約が少ない用途に適している。

同社の水素ソリューションの売上高は2023年上半期(1~6月)に大きく増加し、24年にはさらなる成長が期待されているという。

■北米のR&D拠点を検討

フォルヴィアは現在、韓国と中国、仏アランジョワ(Allenjoie)の工場で量産を行っており、22年には1万基を超える水素貯蔵タンクを出荷した。北米では現在、北米市場向けの生産拡大に向け、新たな研究開発(R&D)拠点を検討中としている。

2023/11/15

 

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