クロネコヤマトのヤマト運輸を傘下に置くヤマトホールディングス(HD)は16日、KURONEKO Innovation Fundを通じ、光半導体技術を活用したICチップ型ライダー(Lidar、レーザー光線を使った距離計測技術)を開発する米シルクテクノロジーズ(SiLC Technologies)に追加出資したと発表した。出資額や出資比率は公表していない。


シルクテクノロジーズはレーザー光を対象物に照射し、その反射光を観測することで対象物までの距離やその瞬間速度などを精緻に計測できる光半導体技術を活用したICチップ型ライダーを開発。ICチップ型ライダーは、センサーの性能やICチップの統合技術、製造ノウハウの面で高い競合優位性を誇るという。

KURONEKO Innovation Fundは2021年5月にシルクテクノロジーズに出資しており、同社の技術の汎用性やその対象となる市場の広範さ、高い競合優位性などを改めて評価し、追加出資を実施した。今後、ヤマトグループの取り組みに、シルクテクノロジーズの技術の導入を進めていくとしている。

■ICチップ型ライダー搭載モジュールのサンプル製品を提供

ヤマトHDはまた、シルクテクノロジーズのICチップ型ライダーを搭載したモジュールのサンプル製品「Eyeonic Vision Sensor(アイオニックビジョンセンサー)」を幅広い産業の顧客向けに提供を開始した。監視カメラや産業用ロボット、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)用のコンシューマーデバイスなど、幅広い分野で活用を期待している。

2023/11/17

 

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