東陽テクニカは11月30日、ハブ結合式ダイナモメーターの開発・製造を手掛けるスウェーデン企業のRototest Internationalの全株式を取得し、子会社したと発表した。


■大規模な設備投資が不要に

Rototestは1988年の設立。東陽テクニカは2016年に同社と代理店契約を締結し、ハブ結合式シャーシダイナモメーターシステム「ROTOTEST Energy」を販売している。

ROTOTEST Energyは従来のローラー式(ドラム式)シャーシダイナモメーターと比べ、ピット工事などの大規模な設備投資が不要。フラットなフロア(ガレージ)と3相400ボルトの電源環境を確保することでさまざまな台上走行再現試験を行える。タイヤ交換程度の作業で車両を試験室内に持ち込むことができ、シャーシダイナモメーターに設置する時間を短縮し、試験効率を大幅に改善するという。

東陽テクニカはROTOTEST Energyとレーダーシミュレーターやカメラシミュレーターを組み合わせた統合システム「ドライビング&モーションテストシステム(DMTS)」を自社開発している。

Rototestを子会社化することで、核となるシャーシダイナモメーターシステムを自社製品とし、多様な機能評価や施設内での実車走行による模擬試験を実現するDMTSの拡充を図ることで、自動車産業の開発サイクル短縮化にさらに貢献することを目指す。

今月中にはDMTSが一般財団法人の日本自動車研究所(JARI)に納入され、HILS(Hardware-In-the-Loop-Simulation)試験に活用される予定。

2023/12/01

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する