独BMWグループはこのほど、独ザクセン州ライプチヒの工場で小型車ブランドMINI「カントリーマン」の電気自動車(EV)バージョン「カントリーマン・エレクトリック」の生産を開始したと発表した。これにより、同工場の年産能力は従来から10万台超増加し、35万台に拡大。カントリーマンの生産台数は年内に日量で約500台に達するとしている。

同工場では現在、BMW「1シリーズ」と「2シリーズ・アクティブツアラー」、「2シリーズ・グランクーペ」、MINIカントリーマンの4モデルを1本のラインで生産している。

■第5世代の高電圧電池システムの生産開始

カントリーマン・エレクトリックの生産に伴い、ライプチヒ工場では第5世代の高電圧電池システムの生産を開始。同工場では現在、セルコーティングライン5本とモジュール生産ライン3本、高電圧電池システム生産ライン2本がそれぞれ稼働している。

BMWグループは高電圧電池システムの生産のため、BMWのEV「i3」と「i8」の生産に使用していたスペースを改装して新生産棟を追加。このうちの1つは面積約6万1000平方メートルで、年間で最大30万ユニットの高電圧電池システムを生産できる2本のラインを開設する。

■9月から3シフト制に

ライプチヒ工場ではまた、車両生産部門だけで最大900人の新規雇用を創出し、総従業員数は年内に約7000人に増加する見込み。今年9月には同工場で初となる組立部門での夜勤を開始し、24時間体制の3シフトで車両を生産する。

カントリーマン・エレクトリックは、「カントリーマンE」と「カントリーマンSE ALL4」の2グレードがあり、航続距離はWLTP(国際調和排出ガス・燃費試験法)サイクルでカントリーマンEが423~462キロメートル、カントリーマンSE ALL4が同399~432キロ。カントリーマンEの最高出力は150キロワット(kW)で、100キロ走行当たりの消費電力量は15.7~17.4キロワット時(kWh)。カントリーマンSE ALL4の最高出力は230kWで、100キロ走行当たりの消費電力量16.8~18.5kWhとなっている。

2024/3/5

 

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