大同特殊鋼(本社:愛知県名古屋市)は9日、ギガキャスト(ギガプレス)工法に対応した熱間金型用鋼「DHA―GIGA」の販売を9月から開始したと発表した。超大型のダイカスト金型に求められる焼入性を飛躍的に向上させることで、従来の金型用鋼に比べ使用中の割れを抑制。超大型ダイカスト金型の寿命の安定化を実現し、大型ダイカスト部品のトータルコスト低減に貢献するとしている。超大型ダイカスト金型用鋼の開発は日本初。


金型サイズの超大型化に適した化学成分の見直しにより、金型の焼入れ冷却工程で粗大なベイナイト組織(靭性を低下させる針状組織)の発生を大幅に抑制し、一般的な熱間金型用鋼である「JIS SKD61」相当鋼に対して約4倍の焼入性を実現。大型の金型でも表層から中心部にかけて微細で良好な金属組織を得られ、高い靭性を確保できるため、鋳造使用中の割れが抑制できる。

■中国市場で販売開始

まずはギガキャスト工法の適用が先行している中国市場で住友商事グループの無錫頂鋒日嘉金属制品と連携した在庫体制を整備し、本格的に販売を開始。日本国内をはじめとした他地域についても順次供給体制の整備を進める。今後拡大する需要をとらえ、2030年には年間40億円の売上規模を目指す。

2024/09/10

 

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