ベルギーに本部を置く半導体研究機関imec(Interuniversity Microelectronics Centre、アイメック)」が推進する車載チップレット研究プログラム(Automotive Chiplet Program、ACP)に、独BMWグループや自動車部品の独ボッシュ、仏ヴァレオなど10社が参画することが分かった。
■ステランと鴻海の車載半導体合弁も参加
10社にはこれらの企業のほか、産業システム大手の独シーメンス、半導体設計大手の英アーム(Arm)、半導体後工程の台湾のASM、半導体開発用ソフトウエア企業の米ケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems)、半導体設計ソフトの米シノプシス(Synopsys)、人工知能(AI)向け半導体を開発するカナダの新興企業テンストレント(Tenstorrent)、欧米自動車大手のステランティスと台湾のEMS(電子機器受託製造サービス)大手の鴻海(ホンハイ)精密工業の合弁会社である車載半導体のシリコンオート(SiliconAuto)が加わっている。
ACPは自動車エコシステム全体のステークホルダーが競争前の研究活動に参加するプログラム。従来の車載チップアーキテクチャーが先進運転支援システム(ADAS)や没入型の車載IVI(インフォテインメント)サービスなどの自動車ソリューションの要件を満たすのに苦戦していることから、どのようなチップレットアーキテクチャーとパッケージング技術が自動車メーカーにとって最適かを評価すると同時に、柔軟性の向上や性能の改善、コスト削減などの車載チップレット技術の利点を自動車業界の全体に拡大することを目的としている。
■狙いは開発コストの削減
imecのPlackle氏はACPの意義について、「チップレットアーキテクチャーへの移行は自動車メーカーが単独で行うには高コストすぎるため、商用的な実現可能性は一連のチップレット標準に関する業界の連携にかかっている。これにより自動車メーカーは市場からチップレットを調達し、独自のチップレットと統合して固有の製品を開発できるようになる」と説明している。
2024/10/18