デンソーは4日、炭素原子でできた筒状の素材であるカーボンナノチューブ(CNT)技術の実用化に向けてフィンランドのカナツ(Canatu)と覚書を締結したと発表した。両社は今後、自動運転技術の進展やカーボンニュートラルの実現に貢献することを目指し、協力をさらに深めていくとしている。

自動運転技術の進化に伴い、自動車はカメラなどにより周囲を正確に検知することが求められるが、曇りや霜が発生すると視界が遮られ、検知が難しくなるといった課題がある。これらの課題解決に向け、デンソーは透明で柔軟な素材を活用した透明導電膜を用いた製品開発に取り組んでおり、その鍵となるのがCNT技術という。

CNTは高い強度と軽量性、優れた電気・熱伝導性を持つ、非常に微細な構造を持った炭素素材で、多岐にわたる応用が期待されている。カナツは、独自の材料を使った高純度なCNTを高効率に生成する革新的な技術を保有しており、透明導電膜の形成技術に強みを持っている。

■透明ヒーターの実用化に向け開発加速

デンソーはこれまでも、カナツの持つ高度な透明導電膜形成技術と、デンソーが自動車分野で培った技術や量産に関する知見を組み合わせることで、CNTに関する共同研究に取り組んできた。今年4月にはフィンランドにあるカナツの工場で、CNTの生産性を大幅に向上させるリアクター(CNTを製造する際に使用する装置)の開発に成功したほか、CNTを使用したクルマのカメラやフロントガラス用透明ヒーターの開発を進めてきた。

今回の覚書の締結を受け、両社は透明ヒーターの実用化に向けて開発を加速するとともに、新たに環境技術に応用し、カーボンニュートラルの実現に貢献する技術の確立を目指す。

2024/12/5

 

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