独フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディはこのほど、世界各国のさまざまな電力網を再現するグリッドシミュレーターを開発したと発表した。同シミュレーターを導入した独南部インゴルシュタットの新しい充電試験センターでは、世界各国の電源条件を再現してアウディの電気自動車(EV)をテスト。試験結果は車両の研究開発に直接、反映されるという。


■100~540ボルトに対応

グリッドシミュレーターは、自動車部品大手ボッシュ傘下のボッシュ・レックスロスがパートナー企業のシュミットバウアー(Schmidbaur)と共同開発。インゴルシュタットの充電試験センターに導入された500キロワット(kW)のシミュレーターは、ボッシュ・レックスロスがアウディと共同でアウディ専用に開発した。100~540ボルト、周波数40~65ヘルツの範囲で電力を供給でき、単相、二相、三相の電力網に対応し、スプリットフェーズ(分割単相)での運用も可能という。

■海外でのテストの時間とコスト削減

アウディのエンジニアがシミュレーターを通じて得た知見は、車両ソフトウエアを世界各地の充電ステーションに適合するように最適化したり、アウディのEVの充電性能をさらに向上させたりするために活用される。これにより海外での大規模なテストの必要性が減少し、時間とコストの削減につながると同時に、それぞれの地域の条件に個別に対応した充電体験をユーザーに提供できるとしている。

2025/02/04

 

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