矢野経済研究所は14日、「2024 ASEAN主要4カ国におけるEV(電気自動車)消費者ニーズ調査」の概要を発表した。これによると、4カ国の消費者がEVに求める航続距離は200キロメートル超が最も多く、外出時の充電時間は30分以内が最多だった。
同社はインドネシアとマレーシア、タイ、ベトナムのEVの消費者ニーズについてアンケート調査を実施し、各国のユーザー動向を把握し、その傾向を比較分析した。調査対象は自動車運転免許を保有し、かつ世帯で自動車を保有する20~50歳代以上の男女1600人(1カ国当たり400人)。調査は2024年9~12月に実施した。
まず、EVのイメージについて航続距離や充電時間、メンテナンス、デザインなど9つの設問を設け、「よく当てはまる」「やや当てはまる」「どちらとも言えない」「やや当てはまらない」「まったく当てはまらない」の5段階で回答を得た。表内では、「よく当てはまる」「やや当てはまる」と回答された合計比率が80%以上は◎、50%以上が〇、50%未満は△とした。
■航続距離と充電時間、電池の劣化が関心事
インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムの4カ国合計で「よく当てはまる」「やや当てはまる」となった設問は5項目で、このうちEVの課題点とされる「気になる」項目は下記の3項目となった。
1つめは「何キロ走れるかが気になる」で、全体では「よく当てはまる」が67.1%、「やや当てはまる」が26.1%となっており、EVの航続距離を気にしている消費者が多いことが分かる。「よく当てはまる」の回答率を国別に比較すると、ベトナムが最も高く76.3%で、次いでインドネシアが69.8%、タイが67.5%、マレーシアが54.8%となった。
2つめは「充電時間が気になる」で、全体では「よく当てはまる」「やや当てはまる」との回答が計93.4%となった。特にタイは「よく当てはまる」が63.5%、「やや当てはまる」が31.8%で、合計で95%を超えた。
3つめは「電池の劣化が気になる」で、全体では「よく当てはまる」が54.3%、「やや当てはまる」が34.2%で、合計の回答率は88.5%だった。国別に回答率を比較すると、タイは「よく当てはまる」と「やや当てはまる」の合計が90%を超えており、航続距離や充電時間と同様にEVの電池の劣化についても消費者の不安が高いことが分かった。
■求める航続距離は「201~300キロ」が最多
次に、消費者が求めるEVへのニーズとして、具体的な航続距離・充電時間についてアンケート調査を行った。
1回の充電で走行可能な航続距離のニーズは、全体では「201~300キロ」が最も多く27%。次いで「301~500キロ」が24.3%、「151~200キロ」が20.1%だった。一方で航続距離「150キロ以下」は12.8%と最も少なかった。
国別に見ると、タイでは75.5%が「201キロ以上」の航続距離を求めており、このうち29%が「300~500キロ」だった。また、「501キロ以上」も24%と4カ国中で最も高く、長距離走行のEVのニーズが高いと推定できる。
インドネシア、マレーシア、ベトナムについても「201~300キロ」が最多で、それぞれ27.8%、25.5%、32.3%となっている。
一方で「150キロ以下」と回答した割合は、タイが7.8%と最も低く、マレーシアが13.8%、ベトナムが14.5%、インドネシアが15%だった。4カ国ともEVを短距離走行の「街乗り」で利用するニーズは低く、特にタイでは一般的なガソリン車と同じ距離を希望していることが分かった。
■外出先の充電時間は「16~30分」が最多
また、外出先での1回の充電時間については、全体では「16~30分」が最多で34%、次いで「31~60分」が27.8%、「11~15分」が17.6%だった。一方、「5分以内」と「6~10分以内」の回答は少なく、合計の回答率は12.5%となっている。
国別に回答率を比較すると、マレーシアでは「31分以上」の回答率が40%を超えており、このうち「61分以上」は13%と4カ国の中で最も高く、EVの長時間充電を許容する傾向がややある。ベトナムとタイは「16~30分」が最も多く、それぞれ39.0%、37.8%となっている。
2025/04/15


